悪徳美容整形から金を取り返す(その3:国民生活センターへの相談と返金解決)

前回までは こちら

消費生活センターからの返金要請が通らなかったので次は国民生活センターに相談します。

国民生活センターADR裁判外紛争解決手続)という事業を行なっています。詳細は ホームページ に書いてますが、ざっくりいうと「国として看過できない消費者トラブルの仲介・仲裁をするよ」というものです。

整形外科医を巻き込んだことで今回みたいな美容整形のトラブルは全国各地で起きてることを知りましたし、泣き寝入りする被害者も多々いることも分かったのでここに話を持ち込みます。

国民生活センターへの問い合わせ

ホームページ上に電話連絡先がありますので受付時間を確認した上で本人から電話をかけてもらいます。

最初は受付のスタッフの方につながるので相談内容を端的に説明する必要があります。なのでカンペ作って渡しておきました。先方に伝える内容は「経緯」と「こちら側が求める解決案」です。

  • 美容整形で豊胸手術を申し込んだが、当初15万円程度と聞いていた手術費が220万円まで増加した
  • 術前の説明などで相手方への不信感があり、当日手術をキャンセルした
  • キャンセル後に返金を求めたが、契約書にサイン済みであるため返金はできないと言われている
  • 手術自体を行なっていないのに返金不可というのは納得ができない
  • Bクリニック契約を無効とし、支払った金額220万円を全額返金してほしい
  • 某市の消費生活センターに相談したが、契約済みを理由に返金を拒否された

Rさんとは国民生活センターの相談電話をする前に簡単な想定問答(こう言われたらこう返そうね)みたいなやりとりをしました。

この手前で消費生活センターに行ったことも功を奏しカンペ見ながらサラサラと説明できたとのこと。ここで一次受付が完了で、この後に国民生活センター内で審議に入ります。

紛争解決委員会による受理と手続き開始

数日後に国民生活センターから当人に連絡が入ります。

受理の連絡と今後の手続きの進め方について説明があるのと、国民生活センター(紛争解決委員)の担当者が付くこと。担当者の連絡先が告げられます。被害側が必要なのは契約書と2種類の書面の計3つ。

  1. 契約書・契約関連書類等の一式
  2. 和解の仲裁申請書
  3. 紛争の経緯

紛争解決委員の方に話を聞くと「紛争の経緯」は基本的に長めになるとのこと。体裁が整っていれば良いのでWordで別紙を作った方がベターです。「和解の仲裁申請書」の”紛争の経緯”の箇所には「別紙記載」と書き、「紛争の経緯」は別に作りました。

また、この書面を作成するにあたり「当人以外の第三者が書いても良いか」を国民生活センター側に確認し、第三者がサポートしても可という回答を得ています。

一番時間がかかったのが紛争の経緯の資料で、これは5回くらい提出し直しています。が、紛争解決委員の方はとても親切で、提出するたびに「どこをどのように修正すればいいのか」を丁寧に教えてくれます。経緯はこちら側で整理する必要はあるものの、文章を整えたり加筆・修正・削除する箇所は委員の助言に沿って進めていけばOK(とはいえ基本的な文章を書く能力、事実と感情を分離して書く訓練、相手の指摘をきちんと受け付けて修正するという技能は必要です)

複数回の修正を経て出来上がった書面をメールで送付。書面が受理されたらビデオ通話での面談に入り、その後紛争の相手方との協議が進みます。作った紛争の経緯はこんな感じの書類。

一旦ここで事務手続きは終了。

相手方との交渉開始

交渉は国民生活センター 紛争解決委員の法曹資格保持者が行います。弁護士資格を持った委員の方が相手方と交渉。で、1回目の交渉で返ってきた返事が「嘘ついてクリニックから逃げたから返金しません」です。

舐めてんのか

当然こんなふざけた拒否理由でこちらが引き下がる謂れはないので「納得できません」と伝え、紛争解決委員からは「ですよね」というような反応をいただきます。で、委員から押し込んでもらって相手方は「185万円なら返金します」に軌道修正。それも納得いかんので「もうちょい返してもらえないですか。こっちはカウンセリング以外に何も受けてないです」を伝え、最終的に「200万円返せ」に落ち着きます。

で、紛争解決委員に振込先情報を伝え、その口座に振り込みが入ってきたのが2026年1月末。本当に長かった…。スタートは2025年の冬なので約1年かかりました。Rさんが電話に出られず、(私の)書面作成がズルズル遅れたのが長引いた理由です。半年くらいでいけたはず。

戦いの結果、Rさんは支払った220万円のうち200万円を取り戻すことができたのでした。

今回の経験を経て思うこと

この件があったのでいろんな人に話を聞いてみたら被害者ワラワラいるんですね。水商売で働く女性スタッフって契約に弱く書類をちゃんと読まないし、最悪の場合美容整形の被害にあっても契約書捨てたりしてます。こうなるとどうにも取り戻せない。 また、水商売のキャストは悪い意味で踏ん切りが良く、一回整形で失敗しても稼ぎ直して手術やりなおす人も多そうです。過去を振り返らないのはすごいけど、その習性を食い物にされてるのはどうかと思う…。

それ以上に腹が立つのはコンプレックス抱えた弱者を食い物にする美容整形医。こういう輩が荒稼ぎして、真面目にやってる医師が稼げないのは絶対に間違ってます。

今後被害者を増やさないためにもこういう悪どい方法があることと、それと戦う方法が広く伝わって欲しいところ。

滅べ、悪徳美容医。