悪徳美容整形から金を取り返す(その2:紛争開始と敗戦)

前回はこちら

とりあえずRさんはクリニック内で獅子身中の虫。体制を整えるためにも一度クリニックから脱出しないといけません。

電話で会話できてるので「妹がちょっとトラブルにあったので合流したい」と言ってその場から離れるように伝えます。この電話は繋いだ状態でクリニックのスタッフに話を伝えてもらいました。こういうトラブルが起きたときは

  • 信頼できる人と相談の上、その人のアドバイスを受けつつ行動する
  • 可能であればその「信頼できる人」と通話を繋ぎ、後から言った・言わないの議論になったときの証人とする

ということを意識して動くとベターです。「妹がトラブった」という体で話をしてるのでクリニック側は電話口に妹がいると思ったんじゃないだろうか。私は電話口で相手方の話を聴いていたんですが「帰さないぞ」という意思が超強い。

Aクリニックのスタッフは

  • いつごろ戻れそうですか?本日中に戻ってこれますよね?
  • 手術の日を変えるなら直ぐに言ってくださいね
  • 手術できなかったとしてもお金半額しか戻せないですよ

というようなことをRさんに伝えます。なんとか一旦クリニックを退避。岡山駅付近まで一回逃げてもらいます。

手術の問題点共有と対応方針協議、からの初戦敗退

Rさんはとりあえず逃げたものの、何が悪いのか・どうすべきかがはっきり分かってません。なので先の記事に出てきた岡山勤務のK医師(美容整形)の電話番号を教え連絡を取るように促します。

すぐに電話したとのことで、医師からの説明でこの手術の問題点を理解するに至ります。で、被害者Rさん怒ります。

自分が置かれてる状況を理解したRさんは「返金してもらうようお願いする」ということを決めました。K医師もこのような悪徳美容整形の振る舞いに腹が立ってるとのことで協力してくれるとのこと。この後Bクリニックに戻ってクリニックの閉院時間まで戦うわけですが、この時のRさんは電話繋ぎっぱなし。電話口にはK医師がいて話を聞いていて、彼はスマホを介して窓口スタッフや(後にクリニック側が呼んだ)警察官と議論します。

が、ここまで体制を整えて戦ってみたものの結局この日は返金まで至ってません。Bクリニックのスタッフは

  1. 契約書に返金しないと書いている
  2. 手術に使う機材はすでに開封したので既に出費が発生している

ということを言い続けて返金を拒むわけです。しかし電話口にいるK医師は美容整形外科やっていますので

  • 手術の機材を術前に開けて待機することはないでしょう
  • シリコンバックのリスクをちゃんと伝えてないのに手術しようとするのは不適

というような反論をします。

こちら側は電話口の担当者に医師を立てて交渉中。結構長いこと言い合いしたんですがBクリニック側の医師は全然表に出てこずじまい…。窓口のスタッフは「返金できない」「これ以上揉めるなら警察呼ぶ」と言い続け、結局岡山県警がBクリニックに来ることに。

Bクリニック側は最初は「半額しか戻せないですよ」って言っていたのに、「全額いただきます。一銭も返せません」という風に態度が変わってます。契約書にそう書いてるからわからなくはないけど、その契約内容すら曖昧な担当者をつけて「半額返せます」みたいなこと言ったのはどないやねん。

K医師は岡山県警の警察官に対し、「あなたの目の前の女性(R)は詐欺被害に遭ってるんですが警察は何もしないんでしょうか?」ということを言うわけです。が、警察官は「民事不介入」を盾に仲裁を拒み、結局Bクリニックの閉院時間まで決着せず。当日返金は諦めて福岡への帰路に着きます。

とりあえず今後どうするかを議論

一回戦は敗北。この日は現金で約60万円、クレジットカードで約160万、総額約220万の支払いが。クレカ決済は支払い停止の抗弁*1 で対処しようかと思ったんですが、K医師の友人の弁護士から「抗弁するとクレカの信用に傷がつくからやめといた方が良い」とアドバイスを受け、とりあえず支払う方向へ。

この話の流れで弁護士を雇ったらいくらになるかを聞き「30万円+成果報酬」という大まかな費用感を把握。既に約220万を支払ってる上に出費が嵩み、勝てるか負けるか分からない状況に陥るのも良くないのでトラブル解決のために使える制度がないかを調べました。

話し合いの結果、以下のような方向性で戦うことを被害者Rさんと決めました。

  1. まずは消費生活センターに持ち込もう(費用ゼロ)
  2. 消費生活センターで解決しなかったら国民生活センターに相談して紛争解決手続き(費用ゼロ)
  3. これでも解決しなかったら弁護士雇おう(弁護士依頼30万程度+成果報酬)

行政を動かすには段階をあげていくかたちで働きかける方が良い(消費生活センター国民生活センター)。Rさんには早急に契約書のコピーをワイの家に送るようお願いし、書面一式を受け取ります。

市区町村の消費生活センターへ。そして2回戦敗退。

Rさんの空き時間で「188」に電話してもらい消費生活センターの担当と繋いでもらいます。188に電話したらどこの消費生活センターに行けばいいかを教えてくれるので、その指示に従って最寄りのセンターへ。消費生活センターの運営は都道府県・地方公共団体なので市役所とか県の施設に入ってます。朝電話して昼過ぎに訪問。

一緒に行けるわけもないのでRさん本人から話をしてもらい、こちらは電話で会話を聴かせてもらいました。スピーカーで繋いでもらって適宜補足・サポート。ここはBクリニックの電話口で話を聴いててよかったです。事情を深く知ってるから説明が楽。

一通り説明し、こちらに非がないことを理解してもらった上で消費生活センタースタッフからBクリニックの運営(医療法人)に電話し事情の説明と返金を要請。が、当該医療法人はさくっと返金拒否。「契約書に返金不可って書いてるからダメ」を強弁してきます。先方から返金拒否の返事をもらった消費生活センタースタッフは

  • 消費生活センターではこれ以上の介入が難しい
  • 契約書の内容がおかしかったとしても成人間で締結された商契約であり、そこを盾に出されると強くは言えない

という感じの回答です。

押し負けたけどまあ仕方なし。こちらからは「法テラスか国民生活センターの紛争解決に回すので、何か問い合わせ入ったら対応内容について共有をお願いします」と言いつつお礼を言って退散。

正直この辺から「国の力使って本気で殴ってみよう」という気持ちになりました。公の力でどこまで戦えるのかを試してみたくなってます。

で、「国民生活センターへの相談・そして解決へ」に続きます。

*1:販売業者とのトラブルが起きた時にクレジット会社に対して支払い拒否を求める権利。支払い停止の抗弁権